「シードル」とはどんなワイン?
「シードル」を飲んだことはありますか?
シードルとは、リンゴから造られるスパークリングワインです。収穫したリンゴを完熟するまで保管し、洗浄して砕いたリンゴを圧搾機にかけてゆっくりと果汁を取り出し、果汁だけを樽の中で自然発酵させるとシードルができあがります。
シードルとは、発祥地フランスでの呼称です。「果実を発酵させてできたお酒」を意味するラテン語の「シセラ」が語源だとされています。
ちなみに、イギリスやニュージーランドでは「サイダー」、スペインでは「シドラ」、ドイツでは「アプフェルヴァイン」、アメリカでは「ハードサイダー」と呼ばれます。
シードルは、11世紀頃にフランスのノルマンディー地方で定着し、その後イギリスへと伝わります。
16世紀頃から本格的に造られるようになり、ヨーロッパ各国やロシア、オーストラリア、カナダ、アメリカでも、シードルは愛飲されています。
シードルとは甘いお酒だというイメージを持っている人が多いかもしれませんが、味わいのタイプは甘口から辛口までいろいろあります。
シードルは大きく分けると、
①りんごの果実味をワインのように味わうヨーロッパタイプ
②のどごし重視でビールのようにゴクゴクと飲めるイングリッシュタイプ
の2種類に分類できます。
シードルのアルコール度数は、2~8%くらいです。発泡度合いも幅広く、イギリスでは「スティルサイダー」と呼ばれる炭酸を含まないもの、スペインでは微発泡のものなど個性豊かなシードルが造られています。
フランスのブルターニュ地方やノルマンディー地方は、伝統的なシードルの産地として有名です。
日本国内では、青森や長野、岩手、福島などリンゴの名産地で、地元産のリンゴを原料としたシードルを造るワイナリーやシードル醸造所が増えてきています。
日本産のシードルには、ふじや紅玉など糖度の高い食用リンゴがよく使われます。繊細ですっきりとした風味に仕上がるのが特徴です。
「シードル」に特に合う料理3選
シードルは食事にも合わせやすいお酒です。リンゴの自然で程よい甘さと酸味、炭酸のシュワシュワとした口当たりは、酸味を生かした味付けの和食や中華をはじめ、油脂を多く使った洋食ともよく合います。
ここからは、シードルに特に合う3つの料理をご紹介します。
白身魚のカルパッチョ
辛口のシードルは、白身魚のお刺身とよく合います。オリーブオイルとレモン果汁でさっぱりと仕上げると、互いの酸味がよくマッチします。
パプリカとプチトマト、ベビーリーフを加えたカラフルでお洒落な一皿は、ホームパーティーでのおもてなしにもピッタリ。
刺身用の白身魚(鯛、ヒラメなど) 100g
ベビーリーフ 1/2袋
パプリカ(赤) 1/8個
パプリカ(黄) 1/8個
プチトマト 2個
オリーブ油 大さじ1
レモン汁 小さじ2
塩 小さじ1/3
こしょう 少々
1.白身魚は2~3mmくらいの厚さに薄く切る。
2.パプリカは粗みじん切りに、プチトマトは1/4の大きさに切る。
3.ベビーリーフをお皿に敷き、その上に白身魚を並べ、お皿全体に刻んだパプリカとプチトマトを散らす。
4.塩、こしょうとレモン汁をふりかけ、冷蔵庫で30分ほど冷やす。
5.食べる直前にオリーブ油を回しかける。
ピンチョス
ピンチョスとは、ひと口大のパンやチーズなどの上に具材をのせて、串を刺して固定した可愛らしいおつまみのこと。
カマンベールチーズは、フランス・ノルマンディー地方の特産で、同じノルマンディー生まれのシードルとは相性抜群です。
カマンベールチーズ 30g
スモークサーモン 2枚
バゲットスライス 2枚
ブラックオリーブ 2個
オリーブオイル 少々
1.カマンベールチーズは、ひと口大(15g)の大きさに切る。
2.バゲットの上にオリーブオイルを塗る。
3.バゲットの上にカマンベールチーズ、クルンと巻いたスモークサーモン、ブラックオリーブの順にのせ、串を刺す。
ガレット
本場フランスのブルターニュ地方では、シードルとガレットを合わせるのが定番。生地にシードルを入れて焼き上げるとガレットが美味しくなります。
そば粉 150g
卵 1個
シードル 50ml
水 250ml
塩 少々
バター 大さじ2
とろけるチーズ 40g
卵 2個
ハム 2枚
1.ボウルにそば粉を入れて中央を窪ませたところに卵を割り入れ、塩を加えて混ぜ合わせる。
2.1のボウルにシードルと水を少しずつ加えながらさらに混ぜ合わせ、全体が滑らかになってきたら、3時間ほど生地を寝かせる。
3.大きなフライパンにバターをひき、2の生地を流し入れて薄く広げる。周囲がめくれる状態になったら裏返して、裏面も焼く。
4.両面が焼きあがったら真ん中にハムをのせ、その上に卵を割り入れて、ハムエッグのようにしてさらに焼く。
5.卵に火が通ったら、チーズを周りに散らして、端を四方から折り畳んで正方形に整える。
6.卵が好みの硬さになったら、火からおろしてお皿に盛る。
元ソムリエールが勧めるネットで買える「シードル」
画像引用元:https://wsommelier.com/item/7027.html
ネットで手軽に買える、私がおすすめのシードルをご紹介します。
ワイン名:シードル・ド・ノルマンディ ドゥー
生産者:ドメーヌ・ド・コックレル
原産国・地域:フランス・ノルマンディー
味わいのタイプ:甘口
アルコール度数:2.5度
価格:1,133円
リンゴのお酒造りの名手として知られる、フランス・ノルマンディーのドメーヌ・コクレルが手掛けるシードル。
アルコール度数2.5%の甘口で、「お酒に弱い人やワインが苦手な人にも飲みやすい」と好評です。
ビタミンやミネラル、ポリフェノールがたっぷり含まれていて、健康と美容にも良いと特に女性に人気があります。ワインショップソムリエで購入できますよ。