妊娠に気づいたらアルコールはNGだと知っている人は多いと思います。
でも、「少しくらいなら大丈夫だと先輩ママが言っていた」「ノンアルコールワインなら大丈夫なのでは?」など、ワイン好きの妊婦さんにとっては心が揺れてしまうような情報を見聞きしたこともあるかもしれません。
そもそも、なぜ妊婦の飲酒はNGなのでしょうか?
そもそもなぜ妊婦の飲酒はNGなの?
妊婦がお酒を飲むと、母体の血液中のアルコール濃度が上昇し、胎盤をを通じてお腹の赤ちゃんの体内にも運ばれます。
胎児の肝臓は十分に発達していないため、アルコールを分解できません。赤ちゃんの体内に長時間アルコールが滞留した状態になることで、細胞の成長を阻害したり、胎児の障害や奇形の原因になったりすると考えられています。
妊婦の飲酒が原因で、赤ちゃんの低体重や奇形、脳障害や心疾患、関節の形成異常、学習障害など様々な先天性疾患が見られる状態は、胎児性アルコール症候群(FAS)と呼ばれます。
こうした胎児への影響だけでなく、妊娠中のアルコール摂取は母体への悪影響もあり、自然流産しやすい傾向がみられると報告されています。
私は旦那さんがドイツ人なんですが、身近にいる国際結婚をした友人夫妻の中には「少量なら飲んでも大丈夫だよ」と話す人も実際にいます。
ただ、日本人をはじめ黄色人種のモンゴロイドは、遺伝的にアルコールに弱い人の割合が多く、欧米人以上に注意が必要なんです。
ワイン好きの女性にとっては、大好きなワインを飲めない期間はつらいと思いますが、生まれてくる赤ちゃんと自分自身の体のためにも辛抱しましょう。
妊娠中でもノンアルコールワインならOK?
妊娠中のアルコールがNGなことはおわかりいただけたと思います。では、ノンアルコールワインなら飲んでもOKなのでしょうか?
ノンアルコールとアルコールフリーに注意!
ノンアルコール飲料には、アルコール1%未満のものとアルコールが全く入っていないものが存在しています。
注意したいのは、アルコールが0.05%以下のものについては、ノンアルコールと表示することが許されている点。
酒税法の第2条で、酒類は「アルコール分1度以上の飲料」と定義されています。また、厚生労働省の「e-ヘルスネット」によると、ノンアルコール飲料は「含有アルコール量が1%未満の飲料だが、通常、清涼飲料水は含まない」と記載があります。
ノンアルコール飲料は酒税法上のお酒には該当しないという解釈ですね。アルコールフリーとは、アルコールを含まない飲み物です。
日本国内のメーカーでノンアルコールとして販売されている飲み物は、国内の検査基準をクリアしたものです。国内製品でアルコール度数0.00%と記載されていれば、妊娠中に飲んでも問題ありません。
ただ、海外からの輸入製品については国内の基準とは異なるので、ノンアルコールと書かれていても微量のアルコールを含んでいる可能性があります。心配な人は、日本国内で製造されたものを選ぶと良いでしょう。
アルコールゼロ(アルコール0%)でも飲み過ぎは注意!
アルコールゼロの飲み物であっても、飲みすぎると身体が冷えやすくなります。
身体が冷えることで、妊娠初期のつわりや、お腹の張り、便秘、手足のむくみ、全身のだるさなどを招く原因になるとされ、妊婦に冷えは大敵です。
冷たい飲み物の飲みすぎには、くれぐれも注意してくださいね。